運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
「業務連絡はできているが、部署を超えた会話が少ない」「社員同士がもっと気軽に相談できる会社にしたい」そんな課題を感じていませんか?
連絡手段があったとしても、「この人に聞いてみよう」と思える関係性があるとは限りません。
社内コミュニケーションを考える際は、情報を円滑に伝える方法だけでなく、人と人との関係を育てる機会創出にも目を向けることが大切です。
社員旅行、飲み会、喫煙所の会話など、かつての職場には仕事から少し離れて、自然に言葉を交わす機会がありました。
今も、こうした交流を大切にしている会社はあります。
一方で、働く場所や時間が異なる社員同士がつながるためには、どのような工夫が必要なのでしょうか。
本記事では、これまでの交流の場が持っていた役割を振り返りながら、職場の「関係の質」を育てる考え方と、コミュニケーションを設計する具体的なポイントを紹介します。
昔の会社には、「用事のない会話」があった
「社員旅行のバスで、たまたま隣になった他部署の人と話す」
「飲み会で、仕事中には見えなかった上司の一面に触れる」
「喫煙所で顔を合わせた人と雑談を交わす」
こうした場では、会議のように議題を決めなくても、会話が始まることがありました。
話す用事がなくても、人と会う場所があった
昔は、話す用事がなくても、社内の人と会う場所がありました。
たとえば、次のような場面です。
| 交流の場 | そこで生まれる会話や接点の例 |
| 社員旅行 | 移動中や食事の時間に、普段は関わらない人と話す |
| 飲み会 | 仕事や趣味の話を通じて、相手の考えや人柄に触れる |
| 喫煙所 | たまたま居合わせた人と、近況や仕事の話を交わす |
最初から「相談しよう」と思っていなくても、「最近どうですか」という一言から「実は、少し困っていて」と、会話が発展します。
人と顔を合わせることが、思いがけず相談のきっかけになるのです。
社員旅行や飲み会そのものは予定を決めて開催しますが、そこで誰と何を話すかまで決まっているわけではありません。
つまり、用意された場の中で、偶然の会話が生まれていたということです。
この仕組みに、今の組織づくりにも生かせる視点があります。
昔に戻るのではなく、交流の役割を受け継ぐ
交流の機会が大切だからといって、社員旅行や飲み会への参加を一律に求めたり、喫煙所での会話を促したりする必要はありません。
食事やお酒、旅行を一緒に楽しむ時間には、それぞれのよさがあります。
一方で、飲む・飲まない、吸う・吸わない、宿泊できる・できないによって、職場の関係性に差が生まれないように配慮することも重要です。
必要なのは、昔の形をそのまま取り戻すのではなく、交流のよさを今の会社に合う形で受け継ぐことです。
社員の健康や参加しやすさに配慮しながら、これまでの場が担ってきた「人と出会う」「相手を知る」「気軽に話す」といった役割を別の機会にも広げていきましょう。
働き方を戻すのではなく、つながり方を更新する
リモートワークや複数拠点で働く会社では、離れた場所で働く社員同士がどのように接点を持つかが課題になります。
コミュニケーションの設計は、自社の働き方から考えることが重要です。
便利になった仕事と、人と関わる時間を分けて考える
これまで先輩に聞いていたことを、AIで整理して自己解決するケースも多いのではないでしょうか。
必要な連絡をチャットで済ませ、移動せずにオンラインで打ち合わせをすることもあります。
もちろん、「人と話すために、あえて便利な手段を使わない」という選択をする必要はありません。
考えたいのは、仕事を効率よく進めることに加えて、人と関わる時間をどこに用意するかです。
疑問の答えを得ることと、同僚が何に困っているかを知ることは同じではありません。
資料を共有することと、異なる意見を安心して伝え合えることもまた別の課題です。
対面・オンラインを先に決めるのではなく、「誰と、どのような関係を作りたいのか」から必要な機会を選んでいきましょう。
「もっと話そう」を、社員任せにしない
会社から「部署を超えて交流してください」「積極的に話しかけましょう」と指示されるだけでは、何をすればよいのか分からない人も多いはずです。
重要なのは、普段関わらない人と協働する機会や、少人数で話す時間といった交流のきっかけを生み出すことです。
「人間関係そのものを管理するのではなく、人間関係が育つ条件を整えること」
それが、コミュニケーションを「あえて設計する」という考え方です。
会話の量とともに育てたい、職場の「関係の質」
接点や会話の時間を増やすことは大切です。
ただし、それと併せて「どのような関係を育てたいのか」についても考える必要があります。
「毎日話しているのに、困ったことは打ち明けにくい」「顔と名前を知っていても、違う意見を伝えるのはためらう」といった状態を見直すための視点が「関係の質」です。
「仲がよい」の先に、相談し合える関係がある
ここでは、「関係の質」を親しいかどうかではなく、仕事の中でどのように関われるかという視点で捉えます。
社員同士がプライベートでも親しくなることを目指す必要はありません。
分からないことを質問したり、意見が違っても相手の事情を理解しようとしたりと、仕事で必要な相談や協力をためらわずにできる関係性を育てることが重要です。
「関係の質」を、考え方や行動につなげる
株式会社イーウェルのセミナー資料では、組織を考える枠組みとして「成功の循環図」が紹介されています。
信頼し合える関係性が思考の質、自発的な行動、結果につながるという考え方です。
関係の質 → 思考の質 → 行動の質 → 結果の質 → 関係の質
これを職場の場面に置き換えると、次のような流れが考えられます。
他部署に話しかけられる相手がいる → 依頼する前に相手の事情を聞いてみる → 段取りを相談し、一緒に仕事を進める → 協力できた経験が、次の相談につながる
これは、関係がよくなれば必ず業績が上がるという保証ではありません。
関係づくりを、その後の考え方や行動にまでつなげて捉えるための枠組みです。
社内イベントでも「楽しかった」に加えて、「職場で話しかけられる相手ができたか」という視点を持つと、企画の目的が具体的になります。
社内コミュニケーションを設計する3つのポイント

社内コミュニケーションを設計するためには、どこから取り組めばよいのでしょうか。
ここでは、「誰と誰をつなぐか」「何をきっかけに話すか」「その後どうつなぐか」を軸とした3つのポイントを紹介します。
- 「交流を増やす」を、「誰と誰をつなぐか」に変える
- 「自由に話して」ではなく、話すきっかけを用意する
- 「楽しかった」の、その先を用意する
それぞれ解説します。
1.「交流を増やす」を、「誰と誰をつなぐか」に変える
新入社員と先輩社員、営業部門と管理部門、または別拠点で働く社員同士など、関係をつなぎたい相手によって企画は変わります。
社内イベントにおいても、開催目的を明確にしてから内容を選ぶことが大切です。[1]
まずは、各部門の社員に「仕事でやり取りはあるけれど、顔を合わせる機会が少ない部署はどこですか」と聞いてみてください。
その答えを踏まえて参加者やチームを組み合わせれば、自社に必要な接点創出に役立つ企画を設計できます。
2.「自由に話して」ではなく、話すきっかけを用意する
初対面の人と何を話せばよいか、すぐに思いつく人ばかりではありません。
そのため、最初の会話につながる共通の目的や役割を用意することが重要です。
運動会であれば、部署混合のチームで作戦を考える時間を設けたり、意見をまとめる役割やサポートする役割を分担したりすると効果的です。[2]
競技そのものだけでなく、準備や振り返りといった時間でも社員同士が自然に関われる機会を作れます。
「この競技を、どんな作戦で楽しみましょうか」といった会話の始め方まで企画に含めておきましょう。
3.「楽しかった」の、その先を用意する
楽しいイベントを実現できたことは、大きな成果です。
その上で、さらなる関係づくりを目的にするのであれば、次の接点も用意しておくと効果的です。
当日の写真やチームのメッセージを共有したり、懇親会を開催したりと、イベントで知り合った相手に話しかけるきっかけを作りましょう。
また、競技後に体験を振り返り、「普段の仕事に置き換えるとどうだろう」と考えることも、イベントと日常をつなぐ方法の一つです。[2]
イベントで新しい知り合いはできたか、そこで知り合った人と後日仕事で関わる機会があったかなど、イベント後にどのような変化が生まれたかを見ることが大切です。
何人が参加したかではなく、職場で広がる接点にも目を向けるとよいでしょう。
運動会で生まれた会話を、懇親会と日常へ

私たち運動会屋が大切にしているのは、競技を楽しむ時間と、人と関わる時間を切り離さないことです。
運動会には、同じチームで作戦を考え、声をかけ合いながら仲間を応援する場面があります。
たとえば、テンポよく展開するドッヂビーのような競技にも、味方へのパスや攻め方の相談など、プレー中に会話のきっかけがあります。[3]
「さっきは助けてくれてありがとうございました」
「あの作戦、もう一回試してみたかったですね」
こうした言葉のきっかけになる共通体験を、競技や進行の中に組み込んでいきます。
一緒に楽しんだ後に、もう少し話せる時間を
運動会屋では、運動会の後に懇親会やBBQを組み合わせることをおすすめしています。
運動会で生まれた話題をきっかけに、競技中には話しきれなかったことをゆっくり語る時間を作るためです。
懇親会やBBQは、食事をしながら気軽に会話を楽しめる場です。
そこに「あのとき、一緒に頑張った」という共通の話題が加われば、運動会で生まれたつながりをさらに深められます。
もちろん、お酒を飲む人も飲まない人も楽しめることと、無理なく参加できることが前提です。
競技への参加も、体力や希望に応じて関わり方を選べるように企画します。
私たち運動会屋が目指すのは、以下のような流れです。
運動会で、出会う → 懇親会で、語り合う → 職場で、協力する
運動会だけで組織の課題がすべて解決するわけではありません。
それでも、職場で話しかけるきっかけを作り、日常の相談や協力へつなぐ場として、運動会を生かしていきたいと考えています。
まとめ|自然に話せるきっかけを、会社がつくる
社員旅行、飲み会、喫煙所での雑談など、以前の職場には、人と人が偶然に出会い、話す機会がありました。
今も、その場を大切にしている会社はあります。
参加する人や働く場所が異なっていても、そうしたよさを残しながら、社員同士が接点を持てる仕組みを考えていくことが大切です。
相談や協力がしやすい「関係の質」を育てるためには、誰と誰が出会い、何を一緒に経験し、その後どう関わるかまでを一貫して考える必要があります。
会社のコミュニケーションを「あえて設計する」とは、社員同士を無理に親しくさせることではありません。
「もっと話そう」と交流を促す前に、自然に話せるきっかけを用意することです。
運動会屋は、その接点を運動会の楽しさとともに作っていきます。
まずは、自社の中で「仕事では関わるのに、話す機会が少ない人たち」が誰なのか、確かめてみましょう。
運動会の企画をご検討の方へ
部署を超えた交流を、運動会の楽しさとともに作りたいとお考えの方は、運動会屋へご相談ください。
参加者や開催目的に合わせた企画を一緒に考えます。
参考資料・関連情報
[1] 運動会屋タイムズ「会社イベント・チームビルディングが一気に盛り上がる!屋内でできる面白いゲーム20選」。
次回予告|第2回
社内の飲み会は必要?飲む人も飲まない人も楽しめる懇親会のつくり方
飲み会を「必要・不要」の二択にせず、食事やお酒を楽しむ時間をより豊かな交流につなげる企画のポイントを考えます。
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