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2026.10.30
運動会の企画

社内運動会を組織づくりにつなげるには?企画・運営・振り返りの実践ガイド|一日の盛り上がりを、明日からのつながりへ。

社内運動会を「楽しかった」で終わらせたくない。
けれど、社員に学びや成果ばかりを求め、楽しめない一日にもしたくない。

そんなときは、運動会の中身だけでなく、企画から開催後までのつながりを見直してみましょう。

この連載では、社員旅行や飲み会、喫煙所で生まれる自然な会話から、リモートワークやAIを使う職場の接点まで考えてきました。
共通するのは、働き方や楽しみ方を否定せず、人と関われる条件を整えるという視点です。

最終回では、これまでの考え方を、社内運動会の企画・準備・運営・振り返りへつないでいきます。
人事や総務、現場の担当者が、何を決め、どこを確認すればよいかを整理する実践ガイドです。

最初に決めるのは、競技より「どんな一日にしたいか」

社内運動会の企画では、競技内容を決める前に、開催目的と参加者にとっての楽しさを整理することが大切です。
まずは、目指したい一日の姿と、企画を進めるうえで確認したい条件を考えます。

会社の目的と、参加者の楽しみを同じ企画に入れる

社内運動会を企画するときは、開催目的を「コミュニケーションの活性化」だけで終わらせず、誰が、どんな関わりを持てる一日にしたいかまで言葉にしましょう。

社内イベントでは、目的、人数やスペース、進行を合わせて考えることを、当社の既存記事でも紹介しています。[1]

たとえば、開催目的を「普段は別々に働く社員が、同じチームで勝負と応援を楽しみ、次に会ったとき声をかけられる一日」とすれば、会社としてつくりたい接点と、参加者が楽しむ時間の両方を含められます。

そして、その目的を、企画を承認する人、社内担当者、運営担当者の間で共有しましょう。
準備の途中で演目や挨拶が増えた場合にも、「今回大切にする時間は何か」に戻って判断できます。

変えられることと、守る条件を分ける

会場、人数、予算、開催時間のほか、途中参加や応援での参加、移動や食事への配慮を確認しましょう。

希望する企画を先に固定してから参加者を合わせるのではなく、実施条件の中で楽しめる内容を組み立てることが大切です。

また、予算は競技の運営費だけでなく、会場、備品、移動、食事、設営・撤収、人員、変更時の費用まで含めて比べます。
調整が必要なら、飾りや競技数を見直す前後で、休憩・案内・安全対応に無理が出ないかも確認してください。

準備を、「いつまでに何が決まるか」で進める

企画の方向性が決まったら、開催までに必要な準備を具体化していきます。
担当者だけでなく、各段階で確認する成果物や変更時の対応も決めておきましょう。

担当表と、確認する成果物をセットにする

担当者を決めるだけでは、準備がどこまで進んだかが見えにくくなります。そこで、確認する成果物とその担当者をセットにして進めていきましょう。

次の表は、開催までの準備と終了後の確認をつなぐ例です。
期間は案件ごとに異なるため、日付は会場の予約や発注期限に合わせて設定してください。

段階中心になる担当の例確認する成果物
企画の承認開催企業の責任者・社内担当目的、参加対象、予算上限、開催条件
会場・内容の具体化社内担当・運営担当・施設側会場図、競技案、食事・移動の範囲、見積
参加案内と役割分担社内担当・各担当者参加案内、チーム表、配慮事項、担当表
直前の最終確認全体進行・施設・食事等の責任者進行表、連絡系統、変更・中止と緊急時の手順
開催後の振り返り社内担当・運営担当・承認者実施記録、感想と接点の確認、次回の改善案

表の担当は、実際の体制に合わせて置き換えてください。

「みんなで確認する」ではなく、各成果物を誰が取りまとめ、誰が承認するかを決めます。

外部へ任せる場合も、会社側でしか決められない参加条件や社内案内は残ります。

発注の前に、変わったときの扱いも確認する

参加人数が増減した場合や、雨天で場所を変える場合、実施を見送る場合に、いつまで何を変更できるかを確認します。
備品、食事、送迎の変更期限が同じとは限りません。
費用と連絡先も、項目ごとに残しておきましょう。

また、企画書、進行表、チーム表が別々に更新されると、当日の案内も食い違います。
そのため、最新版の保管場所と更新担当を決め、変更点を各担当者へ知らせるようにしましょう。

ファイルを配ることではなく、同じ内容で動けることを準備の完了条件にするのがポイントです。

当日は、「決める人」と「動く人」をつなぐ

運動会場で進行を確認するスタッフ

運動会当日は複数の担当者が同時に動くため、情報共有と判断の流れが重要になります。
全体進行と各現場の役割を整理し、安全に運営するための体制を確認しましょう。

全体を見渡す担当と、各現場の担当を分ける

受付、競技、得点集計、音響、救護、食事、施設との連絡を、幹事一人に集中させないようにしましょう。
全体進行を調整する人と、各場所で動く人を分け、予定の変更を誰に伝えるかを明確にします。

たとえば、競技開始が遅れたとき、競技担当だけで次の競技を詰め込まず、全体進行へ連絡する。
全体進行が休憩や食事の条件を確認し、変更を各担当へ伝える。
その判断を司会者が参加者に案内する、という流れを事前に合わせます。

安全への備えは、盛り上がりとは別に確保する

スポーツ庁が2026年に公表した安全確保のガイドライン(試行版)は、行事の主催者・運営者や施設管理者など、立場ごとに対策の点検・改善を進める構成です。[2]
運動会でも、会社・運営担当・施設が互いの役割を確認する材料になります。

具体的には、使用する用具や床、休憩場所、当日の体調の申し出先、天候等による変更判断、事故時の連絡と救護の手順を確認します。
中断を申し出る方法と、実施の継続・再開を判断する人も明確にしてください。
詳細な基準は、競技や会場の条件、専門の担当者とすり合わせます。

なお、準備段階で安全を確認しても、当日の状況が変われば見直しが必要です。
楽しんでいるから続けるのではなく、必要な場合には止められる体制を用意する。
その前提の上で、参加者が勝負や応援を楽しめる場をつくります。

競技数より、「関わる場面」を進行に残す

運動会を通じて社員同士の接点をつくるには、競技の数だけでなく、一緒に過ごす時間の使い方も大切です。
作戦を相談する場面や食事の時間を含めて、一日の進行を考えましょう。

説明を聞くだけでなく、一緒に考える時間をつくる

競技を次々に進めるだけでなく、チームが顔を合わせ、役割や作戦を相談する場面を進行表に入れます。
競技そのものを面白くすることと、参加者が関わる時間を取ることを、同時に考えましょう。

また、競技に出る、応援する、作戦を考えるなど、本人が選べる関わり方を用意することも大切です。
ただし、競技を希望しない人を、当然のように一日中の運営係へ回す必要はありません。
どんな参加が可能かを事前に案内し、当日も変更を相談できるようにしておきます。

食事の時間まで含めて、一日の楽しさを組み立てる

運動会屋では、競技の後に懇親会やBBQを組み合わせることをおすすめしています。
一緒に経験した場面を話題に、食事やお酒を楽しみ、さらに相手を知る時間を確保するためです。
具体的な進行や配慮は、前回の記事で紹介しました。

一方、振り返りの発表や挨拶を増やしすぎて、歓談を削らないようにしましょう。
楽しんだことを必ず仕事の教訓にしなくても構いません。
「また一緒に話したい」と思える時間そのものを、大切にしてください。

開催後は、楽しさ・接点・日常の変化を分けて確かめる

イベントを振り返る人たち

運動会の振り返りでは、当日の満足度だけでなく、新しい接点や開催後のやり取りにも目を向けます。
確認したい内容に応じて質問する時期を分け、次の企画改善につなげましょう。

何を知りたいかによって、質問する時期を変える

開催の手応えを確認するなら、「楽しかったか」「新しい相手と関われたか」「仕事でのやり取りにつながったか」を分けます。

次の表は本記事独自の質問例であり、検証済みの診断尺度ではありません。
必要な項目だけを、自社の目的に合わせて選びましょう。

確認する時点確認したいこと質問の例
開催前もとの相談のしやすさ普段関わる他部署に、気軽に質問できる相手はいますか?
開催直後楽しさと参加の負担楽しめた場面、参加しにくかった点はありましたか?
開催直後新しい接点これまで話す機会の少なかった人と、一緒に取り組めましたか?
約1か月後日常のやり取り当日知り合った人と、仕事の相談や情報共有をしましたか?

相談のしやすさの変化も確認するなら、開催前と同じ質問を後日もう一度尋ねるのも一つの手です。

また、仕事の接点がまだなかった人には「機会がなかった」と答えられる選択肢を残しましょう。
連絡していないことだけで、企画が失敗だったとは判断しないでください。

回答を、次に直すことまでつなげる

結果を報告するときは、参加人数と回答人数を分け、回答した人の範囲で説明します。

楽しさや接点の感想を、離職率や業績の改善に読み替えないことも大切です。
ほかの施策も動いていれば、変化を運動会だけの効果とは断定できません。

また、自由記述は、利用目的と共有範囲を案内し、個人が分からない形で扱います。
参加しなかった人の事情や、社員同士の連絡履歴まで集める必要はありません。
企画の改善に必要な範囲を決めて確認しましょう。

そのうえで、運営側の記録も併せて見て、次に残すこと、直すこと、担当、確認する日を一つずつ決めます。

たとえば、着替えが混雑したなら場所や時間、話すきっかけが少なかったなら顔合わせの進行を見直す。
感想を集めるだけで終わらず、次の企画判断へ返していきます。

まとめ|運動会の楽しさを、職場のつながりへ

社内運動会を組織づくりにつなげるには、企画から開催後まで、同じ目的を持って進めることが大切です。

最後に、連載を通じてお伝えしてきた考え方を振り返ります。

会社のコミュニケーションを設計するとは、社員を無理に親しくさせることではありません。
出会い、一緒に楽しみ、質問や相談をしやすい関係を育てる条件を用意することです。

そのために、目的を共有し、準備の成果物と担当を決め、安全に実施できる体制を整える。
当日は楽しさと関わる時間を守り、開催後は、何が生まれ、何を直すかを確かめます。
企画・運営・振り返りを、同じ目的でつなぐことが大切です。

運動会で、出会う。
懇親会で、語り合う。
職場で、協力する。
日本の運動会文化が持つ楽しさを大切にしながら、その一日を、次の会話や協力へつなげていく。

それが、この連載を通じてお伝えしてきた運動会屋の考え方です。

次の企画では、「どんな一日にしたいか」「誰が準備と判断を担うか」「開催後に何を確かめるか」を、最初の打ち合わせでそろえてみてください。

一日の盛り上がりを、明日からのつながりへ。

一つの運動会から、その流れをつくっていきましょう。

運動会の企画をご検討の方へ

社内運動会を、企画から開催後のつながりまで考えてみたい方は、運動会屋へご相談ください。
開催の目的、参加者、会場や日程、予算の条件を伺い、一緒に楽しめる一日の企画を考えます。

参考資料・関連情報

[1] 運動会屋タイムズ「会社イベント・チームビルディングが一気に盛り上がる!屋内でできる面白いゲーム20選」

[2] スポーツ庁「『運動・スポーツの安全確保対策の評価・改善のためのガイドライン(試行版)』を策定しました」(2026年1月27日)

連載を振り返る

全13回の連載は、今回で完結です。
自社の企画を具体化するときは、次の記事も併せてご覧ください。

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