運動会屋が発信する運動会に関するコラムです
部署を超えた交流をどうつくる?「偶然の出会い」を設計する5つのポイント│「自由に交流してください」で、企画を終わらせない。
「全社の交流会を開いたのに、同じ部署の人ばかりと話していた」「会場は盛り上がっていたものの、普段関わらない社員と交流できたかは分からない」そんな交流会のあり方を見直したいと感じることはありませんか?
親しい仲間との交流も大切ですが、部署を超えたつながりを生み出すには、社員の積極性や偶然の出会いに頼るのではなく、接点の少ない相手とも自然に関われる仕組みづくりが重要です。
今回は、「相手・タイミング・場所・話題・その後の接点」の5つの視点から、交流の企画を具体化する方法を紹介します。
運動会を例に、設計書を活用しながら会場や日程を決めるだけでは見落としがちな準備のポイントも整理していきます。
「偶然を設計する」とは、会話を台本にすることではない
場を用意して、その中の出会いは開いておく
「社員旅行のバスで隣になった人と話す」「飲み会で同じ料理をきっかけに盛り上がる」「喫煙所で他部署の人と雑談をする」こうした何気ない場面が、会話のきっかけになっている会社もあります。
旅行や交流会は計画して開催しますが、そこでどんな会話が生まれるかまで決まっているわけではありません。
社員同士の会話を管理したり、私生活の話を強要したりするのではなく、自然に交流できる場を準備して自由なやり取りを残すことが大切です。
最初に声をかけやすいきっかけを用意し、その後の話題や距離感は当人同士に委ねましょう。
企画の目的と、参加者の楽しみを重ねる
交流会を企画する際、部署間の接点づくりと、参加者同士が楽しめる設計を重ねて考えることが重要です。
社内イベントの企画では、開催目的に加え、参加人数や会場のスペース、当日の進行までを考慮すべきと運動会屋の既存記事でも紹介しています。[1]
参加者全員との交流を目指すのではなく、「日常業務で連絡を取る相手の顔と担当業務を知る」「異なる部署の社員と一緒に楽しむ」など、交流の目的を絞ることが出発点になります。
社内イベントの場面ごとに、誰がどのように関わるかを具体化してみましょう。
部署を超えた交流を設計する、5つのポイント

部署を超えた交流を設計するポイントは、以下の5つです。
- 相手|人数の前に、「どこをつなぐか」を決める
- タイミング|予定の隙間ではなく、関わる時間を確保する
- 場所|広さだけでなく、「互いに話せるか」で選ぶ
- 話題|自己紹介の次に、「一緒にすること」を置く
- その後の接点|一度の出会いを、次の声かけへつなぐ
それぞれ解説します。
1.相手|人数の前に、「どこをつなぐか」を決める
まずは、営業部門と管理部門、本社と各拠点、新入社員と既存社員など、業務で関わりがあるものの、接点が少ない組み合わせを確認します。
ここで重要なのは、知り合いを増やすことではなく、自社に足りない接点の創出です。
たとえば、企画担当者が各部門に「普段、連絡は取るけれど、直接話す機会が少ない部署はどこですか」と尋ね、その回答をチーム編成に反映する方法があります。
チーム編成では、全員が初対面になるのを避け、顔見知りがいる組み合わせにすることで、自然な交流が生まれやすくなります。
性格を推測して「社交的な人」「孤立している人」といった分類をする必要はありません。
また、メンバー同士の会話をサポートする紹介役をあらかじめ決めておくのも効果的です。
特定の人に紹介役が集中しないよう配慮しながら、参加者全員がイベントを楽しめる役割分担を心がけましょう。
2.タイミング|予定の隙間ではなく、関わる時間を確保する
イベントの開催目的として社員同士の交流を掲げているのに、開会あいさつや競技説明、表彰式などで時間を使い切ってしまうと会話する余裕が残りません。
余った時間で交流するのではなく、チームの顔合わせや競技の作戦会議、食事の時間を最初から進行に加えることが重要です。
運動会を開催する場合は、まずチームメンバーの名前を確認し合い、誰がどのように競技に関わるかを相談する時間を設けます。
参加者同士が交流する時間と、水分を取り、座って休む休憩時間を分けて確保することで、無理なく交流を楽しめます。
また、短時間勤務や交代勤務といった業務形態の違いにより、参加できる時間が異なる場合は、主要な役職の人物を一部の時間帯だけに集中させない工夫も欠かせません。
途中参加の人を迎える担当者を決め、どのチームに加わってもらうかをあらかじめ決めておくことでスムーズに進行できるでしょう。
3.場所|広さだけでなく、「互いに話せるか」で選ぶ
会場選びでは、収容人数や競技エリアに加えて、少人数で会話できるスペースがあるかを確認します。
音が響く場所で会話するのと、落ち着いた場所で座りながら会話するのとでは、安心感が大きく異なります。
事前に競技エリアや休憩場所、食事会場などの位置を会場図で確認し、移動距離が長すぎないか、段差や狭い通路がないか、経路の案内が分かりやすいかを点検しておくと安心です。
また、遠方の社員と交流する場合は、移動の負担を考慮した設計が重要です。
オンラインを活用するのであれば、参加用のリンクを配るだけでなく、参加者同士が自然に会話を始められる工夫を取り入れる必要があります。
少人数で話せる部屋を用意したり、会場での案内係を配置したりするなど、対面・オンラインのどちらでも無理なく交流できる環境を整えましょう。
4.話題|自己紹介の次に、「一緒にすること」を置く
社員同士の交流を促すには、名前と部署を伝えた後の会話のきっかけを用意することが重要です。
運動会では、共通の目標に向けて「どの作戦を試すか」「役割をどう分担するか」といった話題を用意できます。
たとえば、フライングディスクを用いてドッジボール形式のゲームを行うドッヂビーでは、チーム内で味方へのパスや攻め方などを相談します。[2]
競技説明の時間だけでなく、短い相談の場を設けることで、初対面の相手でも自然に会話を始められます。
ただし、話題を用意したからといって、全員に発言を求めたり、仕事への学びを発表させたりする必要はありません。
説明を聞いて作戦を考える、仲間を応援するなど、一人ひとりが自分に合った形でイベントを楽しめる工夫が大切です。
具体的な競技は、参加者の人数や会場の条件などに合わせて選びましょう。
5.その後の接点|一度の出会いを、次の声かけへつなぐ
イベント当日は楽しく会話できても、職場に戻ってから名前や担当業務が分からなければ、その後の連絡に支障をきたしてしまいます。
事前に社員プロフィールや部署紹介を用意し、連絡先を確認できるようにしておくとスムーズな連携につながります。
イベントでの会話を思い出す糸口として、掲載の了承を得た写真や、チームで印象に残った場面を共有することも有効です。
ただし、感想の投稿や個別連絡を強制する必要はありません。
必要なときに思い出し、いつでも声をかけられる状態を維持することが大切です
また、イベントの参加者だけに仕事の情報が集まらないように配慮することも欠かせません。
欠席した人や、イベント後に入社した人が各部署の担当業務や依頼方法を確認できるようにしましょう。
5つのポイントを、一枚の設計書にまとめる

例:本社と複数拠点の社員が集まる運動会
社内イベントの企画で重視すべきは、「受付人数を増やすこと」ではなく、「どのような接点を用意するか」です。
以下は、部署や拠点を超えた交流を目的にした設計書の記入例です。
実在する企業の事例や、運動会屋の固定プランではありません。
| 設計する項目 | 具体的な対応例 | 担当者が用意するもの |
| 相手 | 普段の業務上の接点を考慮しながら、本社と各拠点の社員を組み合わせたチームを編成する | チーム表、名前と担当業務の紹介、紹介役 |
| タイミング | 競技前に顔合わせや作戦会議の時間を設け、競技後の食事の場でも参加者同士が交流できる時間を確保する | 時間を明記した進行表、途中参加の案内 |
| 場所 | 競技会場の近くに、座って話せる休憩や食事の場所を確保する | 会場図、移動方法、利用条件の確認 |
| 話題 | 作戦や応援、印象に残った競技をきっかけにする | 競技説明、話題の例、参加の選択肢 |
| その後の接点 | 当日の記録を共有するとともに、各部署の紹介を通じてイベント後の連絡や交流につなげる | 記録共有の許可、社内での掲載先、担当部署の連絡先 |
懇親会やBBQを、共通体験の続きにする
運動会屋では、競技後の懇親会やBBQをおすすめしています。
上記の設計例でも、食事の時間は知り合った相手との関係性を深める機会として位置付けています。
お酒や料理と一緒に体験した場面を振り返る、お酒を飲まない人も楽しめる飲食物を用意する、時間に限りがある人も参加しやすい工夫をするなど、全員に同じ過ごし方を求めずに一人ひとりが自分に合った形で交流できるように配慮することが重要です。
また準備の際は、チーム編成や企画進行、会場の管理、食事の案内など、それぞれの担当者を決めておくと安心です。
個々の担当者に任せきりにするのではなく、事前に設計書を共有し、交流の時間が企画に圧迫されていないかを確認しながら全体のつながりを把握しましょう。
手応えが薄かったら、人ではなく設計を見直す
「消極的だった」で終わらせず、どこで止まったかを見る
交流が期待どおりに進まなかった場合も、参加者の姿勢だけに原因を求めず、5つの項目に立ち返って改善点を探します。
接点の少ない人と同じチームになれなかったのであれば「相手」、自己紹介だけで会話が終わってしまったのであれば「話題」、競技説明に時間がかかり、十分に交流できなかったのであれば「タイミング」の見直しです。
また、会場が騒がしくて会話しにくかった、休憩場所が遠かった、途中参加者がチームに合流できなかったといった運営上の問題も、次回に向けた改善の手がかりになります。
参加者へのアンケートや聞き取りに加え、運営担当者の記録も参考にしながら振り返りを行いましょう。
話した人数を競わせず、入口が機能したかを確かめる
企画を振り返るために、以下の質問例があります。
ただし、これらの質問は「関係の質」を測定するために検証された尺度ではありません。
- 普段あまり関わりのない人とも一緒に取り組めたか
- 自然に会話できるきっかけがあったか
- 日常業務で連絡したいとき、各部署の担当者が分かるか
イベントの満足度や参加者が感じた負担を確認したら、5つの項目の中から次回の企画で優先的に改善すべき点を一つ決めます。
知り合いになった人数を数えたり、個人の交流を評価したりせず、社員同士の接点づくりとそこから育つ関係性の深さは分けて捉えるようにしましょう。
まとめ|自由な会話の前に、出会える条件を用意する
部署を超えた交流を成功に導くためには、自社の目的や課題を踏まえた事前の準備が欠かせません。
「相手・タイミング・場所・話題・その後の接点」の5つの視点で設計書を作成することで、社員同士がどのように関わり、交流を深めていくかを具体的に考えられるようになります。
運動会そのものの楽しさを軸に、作戦を考える時間や、食事をしながら語り合う時間を用意することが大切です。
ただし、交流の中で何を話し、誰と親しくなるかは参加者同士に委ねます。
会話の話題を定めるのではなく、会話が始まる条件を整えることを意識しながら、次回の企画書に5つの項目を加え、当てはまる内容を一つ埋めてみてください。
偶然の出会いを待つだけでなく、出会える場をつくるところから始めましょう。
運動会の企画をご検討の方へ
部署や拠点を超えた交流を運動会の楽しさとともにつくりたい方は、運動会屋へご相談ください。誰と誰をつなぎたいか、開催条件や参加方法を伺い、会話のきっかけを含めて企画を考えます。
参考資料・関連情報
次回予告|第11回
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接点ができた後、相談や協力がしやすい関係へどう育てていけばよいのでしょうか。次回は「関係の質」に焦点を当て、共通体験を日常の仕事につなげる考え方と実践を紹介します。
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