2023.11.01
柏市立柏第七小学校

子どもたちが創る!独創的なスポーツフェスティバル

千葉県の柏市立柏第七小学校のスポーツフェスティバルが、好天の中開催されました!運動会屋も微力ながら、協力をさせていただきました。
4年ぶりに全校児童が一堂に会した運動会。柏第七小学校は、“子どもたちが主役”という考え方が根底にあるため、コロナ後の今年は体育委員が中心となって、自分たちが考えた競技を入れた唯一無二の運動会になりました。
事前練習や当日の様子、運動会屋へお声かけをいただいた理由など、教頭の武居謙治先生と体育主任の根木寛生先生に、お話を伺いました。

運動会の運営に携わった先生方
 教頭 武居 謙治 先生
 体育主任 根木 寛生 先生(5年生担任)
 (文中、敬称を略させていただきます)

学年の垣根を越えて喜びを分かち合う子どもたち

 

100点満点で200点のスポーツフェスティバル

Q午前中だけの開催でしたが、とても濃密なプログラムでしたね

武居 
私は80点でいいと思っていたのですが、出来栄えとしては200点ですよ!他の先生方も当初、半信半疑だったと思います。従来型の運動会のように、ダンスなど“表現”がなくて大丈夫かなど、疑心暗鬼な部分はあったと思うんですけど、全くそんな心配をする必要はなかったですね。

根木 
自分が思っていたより、何倍も成果がありました。いろいろな意味で、やってよかったなと思います。
子どもたちが考えて準備したものが、こうして本番で見られるというのは、子どもにとっても達成感があったのかなと思います。

体育委員が考案!玉入れのアレンジ競技
体育委員が考案!大玉転がしのアレンジ

コロナ下での運動会と今年の運動会について

柏第七小学校のコロナ下の運動会は、午前中だけの開催。1、2年生、3、4年生、5、6年生と3つに分けて、それぞれ自分たちの出番の時だけ校庭へ出て競技を行っていたそうです。校庭にカメラを設置し各教室へライブ配信し、他の学年は教室のモニターでその競技の様子を見ていたそうです。
今年は全校児童が校庭に集まっての開催となりましたが、コロナ以前に行っていた入場行進や組体操、ダンス、PTAの綱引き、就学事前レースは行いませんでした。

 

Qなぜ、今年は従来型の運動会に戻さなかったのでしょうか?

武居 
コロナ下を経て、運動会の目的を考えるようになりました。
指導要領には、体育的行事をやりなさいとあります。行事を通して子どもたちの自主的な態度、意欲的に参加をして、集団行動を学ぶということですね。昔は、開会式の際、「気をつけ」、「休め」など、みんなが揃うまで何度も何度もやりました。集団をすごく大事にしていたと思うんですよね。
でも今は、どちらかというと個人ですよね。集団規律は必要ですが、過度にはやる必要はありません。例えば話を聞く時は、静かになっていればいい。「休め」をする必要はありません。

また、令和元年に指導要領が変わり、特別活動の意義も少し変わってきています。
子どもたちが主体的に行事に取り組む、何かをクリエイトしていく。
今回のように、少しでもいいので自分たちの力でやってみる、それがうまくいこうが、失敗しようが、そういう経験を積み重ねていくことが大事だと思います。

そこで、体育主任の根木先生と話しをして、今年のスポーツフェスティバルの形になりました。多分柏市内の学校でもやっていないことで、慣例を壊すのって怖いんですよ、やったことがないから、「じゃあプロを探そう」ってことで、運動会屋さんを見つけました (笑)

体育委員のみなさんに運動会のレクチャーをする
運動会屋スタッフ

 

遡ること開催の2ヶ月前、教頭の武居謙治先生から運動会屋へ、子どもたちが作る「スポーツフェスティバル」に手を貸してほしいとお電話いただいたのが始まりでした。
その後、体育委員の子どもたちの事前の打ち合わせに、運動会屋スタッフが参加させていただき、競技を創る上での注意点など、アドバイスをさせていただきました。

すると、体育委員の子どもたちは、1年生と 6年生、2年生と5年生、3年生と4年生の組み合わせで、3種目を考案することに。競技や道具の書かれた一覧表を渡すと、そこから発展していろいろなアイディアが出て、子どもたちならではの柔軟な発想で楽しい競技が生まれました。

道具の説明を真剣に聞く体育委員のみなさん
資料を見ながら、競技を考える子どもたち

 

Q運動会屋がお手伝いさせていただいたことで良かった点はありますか?

根木
資料をいただいて、全くゼロからのスタートではなかったのがありがたかったですね。子どもたちと一緒に考えていただいた時も、正直、あんなに子どもたちがアイディアを出してくれるとは思っていなかったので、そこはすごくありがたかったです。
私たち教員だけで、じゃあ「1年生と6年生が一緒にやるもの考えて」と言ってもできなかったですね。

1年生と6年生の競技
「ONE TEAM 踊って投げて勝利をつかめ!」 
玉入れとダンスを融合した競技

武居
競技をミックスさせてやろうとか、綱引きを四方向に引くとか、そういう発想には至らないんですね。

根木
あの三つの競技をつなげてやるっていうのはナイス!ですよね。ビッグウェーブやって、大玉送りをして、最後フラフープくぐりをして、あの発想は出なかったですね・・・。今回の新しい形のスポーツフェスティバルは、体育委員会が考えた競技をやったことに、大きな意味があったなと思います。

3年生と4年生の競技
「ふみふみ十字綱引き」
 四方向に引っ張る十字綱引きのアレンジ

 

事前練習は、わずか1週間!

Q子どもたちが考えた競技なので、練習期間はかなり必要だったのでは?

武居
従来型の運動会だと、1ヶ月半くらい前から練習をしないと間に合いませんでしたが、今回は、本格的に始めたのが1週間前。特に2、5年生は、みんなで集まったら、すぐに練習スタートという具合で、驚きました。

根木
3つの競技があったので、5年生が、大玉はこうやって送ろうよ、とか、綱が来たタイミングで飛ぶんだよとか、そういう声かけをみんなで行っていましたね。練習の段階から楽しかったと思います。教師は、タイムを測るだけ、あとは完全に見守っていました。

武居
自然にそういうのができているのが、さすがだなと思いました。すごくいい場面でしたね。

2年生と5年生の競技
「かがやき」対決
 大玉やフラフープをくぐるなど、独自の障害物競走

 

Q練習時間が短い分、先生方の負担は減りましたか?

武居
我々も働き方改革で、業務時間をかなり気にしています。去年の小規模バージョンの運動会の時よりも減っているので、業務的な観点からも大きな成果だったと思います。

本当のプロというのは、子どもがやりたいことを実現させてあげて、それを適正時間内に適正予算内におさめるということ。自分たちでできなかったら、プロの人と相談してやればいいのではないか、これからの学校はそうやっていかないと回らないんじゃないかと私は思います。

体育委員が道具の片付け、裏方の仕事もバッチリ!
ケガをした低学年の面倒を見る救護委員

 

スポーツフェスティバルを終えて感想は?

子どもたちや保護者の皆さんの反応はいかがでしたか?

武居
子どもたちにアンケート調査をしたんですが、96.7%が良かったと肯定定的な評価でした。今までの慣例的にやっていた運動会とは全く違う形でしたが、すごく楽しかったという意見が多かったです。
PTAの皆さんからは第一声が「すごかったですね!」でしたね。

一体感を生み出す応援団も大活躍!
開会式、閉会式は従来通り
Q先生方は、いかがですか?

武居
感動したシーンがあるんです。低学年が徒競走をしていたときに、トラックに帽子を落としてしまったんですよね。どうするか見守っていたら、近くにいた応援団の6年生が気づいて、すぐに走ってきて、落とした子に優しく渡していたんです。これを見たときに、ああ、やっぱりスポーツっていいなと思って。これがまさに自分たちで運営する姿だなって。スポーツマンシップを感じました。

また、1、6年生の玉入れの結果発表の時ですが、自然に1年生が6年生のところへ行って喜んでスキンシップして、こういうのは、中々今まで運動会では見られなかったなと思います。
これを見ているだけでも、いかに子どもたちが目的意識を持って参加をしていたことがわかりますね。

子どもたちが主役だからこそ見られる弾ける笑顔!

 

スポーツフェスティバル、今後の展望

Q来年以降、スポーツフェスティバルはどのような形にしていかれますか?

根木
体育委員だけじゃなくて、学年ごとや児童会など、子どもが作っていくというものに段々とシフトしていけるようにしたいなと思います。
そうすれば、ある程度の型ができてきて、それが広まっていくのかなと思います。まだ柏市内でも、この学校でしかやっていないので、広げていきたいです。

武居
すでに子どもたちから、斬新なアイディアが出てきています。リアルすごろく、 鬼ごっこ玉入れ・・・謎なのが、虫取り競争・・これぜひどんなものなのか聞いてみたいですよね。 笑
今年、既成概念を壊したからできることで、5.6年前だったらこんなアイディア出てこなかったですね。聞いたからには、実現してあげないと!
こういうことを3年かけて作って行けたらいいかなと思っています。

 

来年、55周年を迎える柏第七小学校。子どもたち主役の運動会で、ぜひリアルすごろく、鬼ごっこ玉入れ、虫取り競争を実現してほしいですね。私たち運動会屋も、協力をさせてください。柏第七小学校の児童の皆さん、武居先生、根木先生、当日ご協力いただいた保護者の皆さん、ありがとうございました。

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