2020.06.26
元気が出る1分コラム

スパコン「富岳」世界第1位!仕事の目的とは何か

日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.41

かつて事業仕分けで「2位ではダメなのか」と問われたスーパーコンピュータ開発ですが、スーパーコンピュータ「富岳」が性能ランキングにおいて、いずれも2位に圧倒的な大差をつけて世界で初めて4部門1位という快挙を成し遂げました。なぜ、このような快挙が実現できたのでしょうか。

開発者は「スーパーコンピュータの性能競争のために開発したわけではない。科学技術の探求だけではなく、産業界をはじめとして実用的に役立つ汎用性の高いスーパーコンピュータを目指した」と述べています。昨今、日本、米国、中国によるスーパーコンピュータの性能競争が激しく、その性能競争に勝つために特定の計算の速さだけを追求して汎用性がなくなるという課題がうまれていたそうです。事業仕分けでの指摘は、ただ単にスピードにこだわっていることへの警鐘であったようです。

開発者は、将来的には日本が目指す将来像として提唱されている“Society5.0”の実現に「富岳」は貢献していきたいと述べています。そして、防災や医療、創薬にくわえて、産業利用にも貢献し、価値ある成果を実現することが「富岳」の使命であり、自らの使命だとも述べています。

イソップ寓話「3人のレンガ職人」にあるように、大聖堂を作る工事に携わっている同じ環境にありながら、自らの仕事を単に“レンガ積み”と考える人と歴史に残る大聖堂を作っており、“世の中に貢献することが目的である”と考える人とでは、仕事に取り組む姿勢やモチベーションは自ずと変わります。

他者に勝つためだけに仕事をするのではなく、人々を笑顔にし、社会に貢献できることを仕事の「目的」だと感じて仕事に取り組むことができれば、私たちのモチベ―ションも飛躍的に高くなります。今回、世界1位という偉業を成し遂げることができた背景には、開発に携わった多くの方の必死の努力に加えて、組織として自らの使命や仕事の目的に立ち返り、進むべき方向を定めて、組織のメンバーがモチベーションを高くもち、一体となってその道を進むことができたことがあったのだと思います。

そして、開発者が述べられている通り、この偉業を社会のためにいかして欲しいと思います。笑顔でいられる人を一人でも増やし、涙を流す人を一人でも減らせるように!

この記事を書いた人
遠藤 直哉

ファシリテーター

遠藤 直哉

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