2020.08.20
元気が出る1分コラム

withコロナ時代 仲間のピンチに寄り添う

日本を元気にする!運動会屋遠藤のつぶやき Vol.80

新型コロナウイルスの感染拡大は、感染拡大防止と経済再生のバランスを取りながらウイルスとの共存を迫られる“withコロナ”と呼ばれるフェーズに入っています。

とある会社経営者は、自ら経営する会社の従業員が濃厚接触者にあたると保健所から連絡があったそうです。PCR検査の結果、この従業員と従業員が接した顧客の陽性が複数判明し、自治体から公表されたそうです。自治体は繁華街の飲食店を起点とする感染拡大として発表しましたが、この従業員はこの飲食店を訪れていなかったことが後に判明したそうです。それにも関わらず、この発表から1ヶ月間、「コロナをまき散らしやがって!」「謝れ!」などの攻撃的な電話やメールが会社に数十件近くあり、精神的に打ちのめされたとこの経営者は述懐されています。

以前、このコラムでもこのような差別に対する不安を書きましたが、差別の対象が、注意していても感染した人、そして、治療後に陰性になった人にまで拡大してしまっているように思います。

「感染した人は、感染するような悪い行動をしていたに違いない」「物を盗まれた人は、物を盗まれるような隙があったのではないか」このように、なぜ、私たちは感染した人のような“被害者”を責めてしまうのでしょうか。

私たちは、社会や世界に理想を抱いており、多くの人は、”安定や秩序“を何よりも求めているそうです。そして、そのために社会は“良いことは良い人に起こり、悪いことは悪い人に起きる”“悪いことをしたら必ず罰せられる”というような“公正な社会”であると考えたいようです。この考えは、目標達成に向けて努力をする原動力にもなる反面、コロナ禍のような理不尽な理由で社会や世界の安定が崩れたときには、“公正な社会”を信じたいために、被害者を責めるような行動につながってしまうことがあるようです。

新型コロナウイルスと共存を迫られるいま、正しい予防をすることは社会人として当然ですが、それでもいつ誰が感染するか分かりません。みなさんの所属する組織でも同じです。

新型コロナウイルスを正しく恐れながら、仲間のピンチの際は寄り添い、自分のことと同じように考えて支えられるような組織でありたいですね!

この記事を書いた人
遠藤 直哉

ファシリテーター

遠藤 直哉

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